Computational Cell Biology @ CSHL

Cold Spring Harbor Lab.のmeeting の1つ.都合により2日目昼前からの参加.まだ,最後のセッション途中ですが,以下,全体的な感想を.

  • 寒い!!!最高気温が0度に届かない.最低気温-10度以下.
  • 参加者は150名程度.CSHLの会場のサイズを考えると適切(か,少し少ないぐらい).朝食・昼食もスムーズに食べられる(食べられるだけで,味は相変わらず).無線LANもスムーズに繋がる.
    • 5月のbiology of genomesは,人が多すぎて悲惨ですからね・・・
  • いわゆるSystems Biologyという言葉が出来る前から続く,単一細胞の内・外に着目した数理生物学の流れの会議.2年に1度.
  • 多くの発表は,実験結果や過去の知見から,パスウエイモデルを建てて,モデルを微分方程式で表現して,シミュレーション&検証.あるいは,シミュレーションから,実験検証.
    • 口頭発表では,実験だけ,計算だけの発表は,ほぼない.(ソフトウエアデモを除く)
    • Model - Experiments のフィードバックの重要性を強調する発表が多い.
  • モデル上の遺伝子(たんぱく質)の数は,1桁後半のものが多いが,10を越えるようなものもある.また,細胞全体に目を向けているものもある.
    • 少し前の,いつも決まったパスウエイだけが調べられてきた印象に比べると,(今も,それらのパスウエイに関する研究が多いが)だんだんその他のパスウエイも扱える状況になってきた印象
    • その一方で,どのようなモデルを建てるのか,モデルのどこに着目するのか,が勝負を分ける
      • シミュレーションをするのだから,当然ですかね.モデルの切り出し(モジュール)を失敗すれば,シミュレーションも出来ないですし.
    • 10を越える遺伝子の系を考えても,シミュレーション上は全てを利用している分けではなく,5遺伝子程度だったりする.
  • マイクロアレイなどでは観測が難しい(現状出来ない),単一細胞内でのlocalizationの違いを見た発表もある.
  • ソフトウエアデモのセッション有り
    • デモで発表されているソフトウエアが使われた,口頭発表って無かったような・・・大抵Mathematicaとか使っているようだ.
  • 顕微鏡画像を動画で取っている発表が多数.
    • 見た目に面白い実験が多い.GFPなどが比較的気楽に出来るようになったおかげか.
  • 定量的な情報を,細かいタイムスケール,高い空間分解能で取るのが重要.
    • そのために,画像・動画からFeatureを抽出して,定量化して,モデル化する研究も多数
      • ショウジョウバエの細胞形状を取り出す.細胞はRNAiで特定遺伝子をノックアウトしたもの.
      • 分裂酵母のactin patchを抽出して,actin patchのself organizationと,actin filamentの役割をシミュレーション,など.
  • biology of genomes に比べると「おーっ」と思うものがほとんど無い.恐らく,genomeの様に新たな統計情報が出てきて,常識が打ち破られる,あるいは,常識が打ち破られそうと思う事が無いからだと思う.細かい系を良く調べている研究が多いので.
    • 結局は,微分方程式を作ったり,その系の動きをシミュレーションしたり,bifurcationを観測したりする複雑系の解析は,有る意味,昔からある基本的な手法なんだよなー.
  • Keynoteで作ったと思われるスライドが半分位 ^^; (もっと少ないかも知れないけど,目立つので結構量が多い印象)
    • シグナルの流れを,逐一アニメにしている発表も少なくないので,アニメーションが作りやすいkeynoteが好まれるのかな.
  • 次回は,2年後の2009年3月とのこと.